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各社が語る!社内エンジニア育成の戦略と実践 セミナー

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各社が語る!社内エンジニア育成の戦略と実践 セミナー

エンジニア育成に注力されている企業様をゲストに迎え、育成の戦略と実践についてご講演いただきます!

エンジニアの需要が高まっている昨今、各社様、様々な社内エンジニアの育成に取り組まれています。
その中で、「育成リソースが足りない」「育成よりも採用が優先的」「IT人材・技術者の育成に必要とされるスキルが分からない」など、課題やお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本セミナーでは、カサレアルとお取引がある企業様の中で、エンジニア育成に特に注力されている企業様をゲストに迎え、エンジニア育成において抱えていた課題、それに対する取り組み、今後の展望等をお伝えいただきます。
様々な業界の企業様による講演を通じ、みなさまのエンジニア育成のお役に立てれば幸いでございます。


組織の変化に必要なコンセプトとしての技術力

 かつて典型的なSI企業であったセゾン情報システムズは変わり始めています。
 ブロックチェーンに関する共同事業を他企業と展開したり、「Amazon Alexa Skill Awards 2018」で最優秀賞を受賞するなど、これまでの
 延長線上にない変化がいくつかの場所で起き始めています。
 これまで技術力は「案件を取るためのスキル」として、事業単位の閉じ込められた中で育成、評価が行われてきました。
 2016年4月に設立されたテクノベーションセンターが3年間で全社向けに進めてきたラストマン戦略、モダン開発インフラ/Slack導入、開発
 合宿、全社スキル調査など、組織全体でDXを起こしていくためのきっかけとなる取り組みをお話させていただきます。

⧉ 講演者
株式会社セゾン情報システムズ
 テクノベーションセンター テクノベーションセンター長
 有馬 三郎様

 ※セッションの内容はこちら


世の中の変化に伴うコレカラの技術者育成

 資格取得や研修受講だけで技術者が育つ時代は今や昔。
 クラウド技術者やフルスタックエンジニアの育成、アジャイル開発やDevOpsへの対応など、世の中の変化に伴って技術者の育成内容や方法も
 変えていく必要があります。
 SCSKの技術者育成の取り組みをご紹介します。

⧉ 講演者
SCSK株式会社
 ものづくり革新推進センター 企画部 部長
 堀井 大砂様

 ※セッションの内容はこちら


内作力を取り戻す! ~スズキのITエンジニア育成の戦略と取組みについて~

 スズキのITシステム部はメインフレームのシステムが中心でしたが、2000年ごろからオープン系アーキテクチャを採用したシステムが
 増えてきました。しかしオープン化の流れにエンジニア育成が追い付かず技術力が低下しています。
 技術力の低下は内作力やベンダーの提案を吟味する力の喪失にもつながり、そのままではITシステム部の存在意義が問われかねません。
 この状況を脱するために、スズキのITがどのような将来像を描いて、どのように人材を育成しようとしているのかについてお話しします。

⧉ 講演者
スズキ株式会社
 ITシステム部 グローバル推進課
 専門職(システム開発) 課長代理
 井上 悟様

 ※セッションの内容はこちら

-注意事項-
・お申し込み多数の場合は、先着順とさせていただきます。
 定員を超えるお申し込みがあった場合には、お断りのご連絡をさせていただく場合がございます。

日程詳細

講演者

株式会社セゾン情報システムズ
テクノベーションセンター テクノベーションセンター長
有馬 三郎(ありま さぶろう)様
SCSK株式会社
ものづくり革新推進センター 企画部 部長
堀井 大砂(ほりい おおさ)様
スズキ株式会社
ITシステム部 グローバル推進課
専門職(システム開発) 課長代理
井上 悟(いのうえ さとる)様

実施報告

はじめのご挨拶 -カサレアル20周年です!-

セミナーの初めに、弊社 代表取締役社長の窪より開始のご挨拶、ラーニングサービス営業課 課長の小林より弊社のサービス紹介をさせていただきました。

窪によるご挨拶では、Java/EJBに特化したシステム開発企業としての創業以来、今年で20周年を迎えた弊社の歴史をたどりながら、時流に合わせて提供しているサービスをご紹介いたしました。
また『創る、学べる、カサレアル。』のキャッチフレーズに込められた思いも、お伝えいたしました。

小林からは、カサレアルの幅広い技術領のご紹介や、ユーザー企業によるシステム開発内製化、クラウドファーストとの定着といったここ1~2年の傾向のご説明をさせていただきました。

組織の変化に必要なコンセプトとしての技術力(株式会社セゾン情報システムズ 有馬様)

<アジェンダ>
1.会社の危機とテクノベーションセンターの誕生
2.3年間の技術的取り組みと組織への波及
3.なぜ投資するのか?技術の渦に飛び込む意義とは
4.DXが生まれる組織、土壌とは

◇会社の危機とテクノベーションセンターの誕生
有馬様は株式会社セゾン情報システムズにて、R&Dなど行う部門「テクノベーションセンター」のセンター長を務められています。

テクノベーションセンターは2016年当時、組織の縦割りが発生していた株式会社セゾン

情報システムズの中で、「外部へ積極的な発信によるブランド力向上・案件創出」と、「事業部の先端技術分野への進出支援」を意義に誕生しました。
研究開発部門は多くの場合、資格取得や研修参加がメインになり、事業部との不和・対立が発生しがちですが、テクノベーションセンターではこれを回避されています。どのように回避し、進んでこられたのでしょうか。

◇3年間の技術的取り組みと組織への波及
有馬様からは、テクノベーションセンターの誕生以降、各年に実施された施策と、導かれたコンセプトをご紹介いただきました。
「コンセプトをどう打つのか?」を考えながら、講演を聞いていらっしゃるご来場者様も多かったようです。

施策 コンセプト
2016年 ・ラストマン戦略:
 各人が特定技術において、社内の誰よりも詳しい状態
・コミュニケーションの改善:
 Slackの利用開始等、事業部の垣根を超えたコミュニケーション
・ブロックチェーン宅配ボックス:
 サービス発表に伴う株価上昇でモチベーションが向上
・ラストマン
・HRT(謙虚・尊敬・信頼)
2017年 ・開発合宿:
 DXや機械学習、RPA等に多く触れ、事業部を牽引するよう取り組み
・全社スキル調査:
 エキスパート検索と技術者のロールモデル探索を目的に調査開始
・ブロックチェーン・ラボ:
 事業部から人を集め、ブロックチェーンを用いた製品開発機会を提供
バイモーダル
(モード1/モード2の両方の良さを持ち合わせて
顧客を支援する)
2018年 ・全社技術教育:
 技術教育の内製化(カサレアルが支援)、TOPエンジニアによるセミナー開催
・全社モダンインフラ:
 GitHub、JIRA、Jenkinsなどモダンインフラの環境構築及び導入支援
バイモーダル・インテグレーター
2019年 ・DX Initiative:
 AIへの積極的な取り組みとして組織化
・UX lab:
 事業を伸ばしていく取り組み ・グロースチーム:
 UX/DXの使いこなしを支援
各年の施策やコンセプトをご説明いただいている中で、有馬様は「技術力が高い人がいる会社≠技術力が高い会社」と説明されております。この定義のもと、自社に合った戦略を明確にされてきたことが、テクノベーションセンターの成功につながったのではないかと感じました。
◇なぜ投資するのか?技術の渦に飛び込む意義とは
有馬様は、「中堅技術者の思う学ぶべきことが、本当に若手技術者も学ぶべきことなのか」「枯れた技術の修得だけで、若手技術者は満足できるのか」といった質問を投げかけられていました。 この疑問に少しドキリとされたご来場者の方も、多かったのではないかと思います。
若手技術者に学ばせるべき技術として、有馬様はブロックチェーンを挙げられています。 その理由として、「技術としての新しさ」や「ダイナミクス」を感じられること、ブロックチェーンに紐づく設計思想の価値が高いことをお伝えいただきました。
◇DXが生まれる組織、土壌とは
デジタルトランスフォーメーションには、EX (Employee Experience) とDX (Developer Experience) を高めることが必要で、 その中でもEXを意識することが重要だと有馬さんはおっしゃっています。
テクノベーションセンターでは、先述した開発合宿やモダン開発推進チームの立ち上げ、社内教育によりEX・DXを高めていらっしゃいます。 さらに、EX・DXの向上により得られた成果として、ALEXAスキル最優秀賞を受賞されたことをお伝えいただきました。

最後に有馬様から、DXが育つ土壌を耕すための重要な点として、「コンセプトや技術の点を打ち続けること」「ソフトウェアの継続開発のためにEXを向上させること」「モード1の知識を持ったうえでモード2に臨むこと」の3点をお伝えいただきました。
「EXの向上」は技術者に限らず、どの職種においても重要な点ではないかと感じました。

世の中の変化に伴うコレカラの技術者育成

<アジェンダ>
1.世の中の変化
2.コレマデの教育
3.コレカラの人材育成
4.SCSKの技術者育成のイマ
5.SCSKの人材育成のコレカラ
6.まとめ

◇世の中の変化
堀井様はSCSK株式会社にて、生産性や品質向上のための企画推進、SCSK様自体のイノベーション推進を行う部門に所属されています。

様々なパラダイムシフトが起きている現在、技術の多様化やスピード感の変化が生じており、それに伴って人に求められるスキルも変化してきています。また働き方改革により、勤務時間の短縮(残業時間の短縮)や、リモートワークなど働く環境の変化も起こっています。

今回のご講演では、この様な変化がある中、働き方改革に成功されたSCSK様が実施されている、「人の育成」の実態をお伝えいただきました。大企業としての取り組みと、小さな部署としての取り組み両方をご紹介いただいております。

◇「コレマデの教育」と「コレカラの人材育成」
堀井様は、「コレマデの教育」と「コレカラの人材育成」を以下の様に対比されていました。

これまで これから
求められる教育・育成 ウォーターフォールの大規模開発に対し、マネジメントやプロジェクトに必要な技術者を多く育成すること
→平均的な技術者の大量育成
アジャイルや中小規模のプロジェクトに対し、その場で判断のできるリーダーやメンバーの育成
→適応力が高い人材の育成
研修 座学中心の集合研修 ワークショップ・ハンズオン・オンライン
評価 業績評価 業績評価+個人の成長
自己研鑚 残業時間の仕事の中で学習 書籍や勉強会参加による独習
→個人によって大きく差が生じる
では、現在SCSK様は「人の育成」を実施されているのでしょうか。
◇SCSKの技術者育成のイマ
SCSK様は、以下を課題として持たれておりました。これらの課題には、共感されているご来場者様が多くいらっしゃいました。
・即戦力が求められ、プロジェクトの中で人を育てることが難しい
・教える人がいない、もしくは教える相手がいない
・技術の多様化により上司が部下の技術を評価しきれない

課題に対する、具体的な取り組みをご紹介いただきました。中でも多くのご来場者様が強く印象を持たれたのが、「評価制度」と「コツ活」です。
先の表にある通り、業績に加えて個人の成長を評価対象にすることで、自己研鑽が促されます。また「コツ活」として年間の業務外での自己研鑽をリスト化させることで、自己研鑽を当たり前にされています。
◇SCSKの人材育成のコレカラ
一方で、熟練技術者の方が自己研鑽に力を入れる傾向にあり、若手技術者との間で成長の二極化が発生しました。
これに対し堀井様は、「勉強の仕方を学ぶ勉強会」の開催や、「技術者ベースライン」の策定、アジャイルへの挑戦などを実践されています。若手技術者の「勉強の仕方が分からない」「勉強をしても評価されないのでは」といった悩みを解消されています。
育成される側の気持ちに寄り添った施策の検討は、技術部門に限らず大切な点だと感じました。

最後に堀井様は、これからの人災育成には、「成長機会の提供による技術者の満足度向上」が欠かせないとおっしゃっていました。有馬様のおっしゃる「EXの向上」に通ずるものがあり、大きく頷いているご来場者様も多くいらっしゃいました。

内作力を取り戻す! ~スズキのITエンジニア育成の戦略と取組みについて~

<アジェンダ>
1.ITシステム部の組織と課題・悩み
2.ITシステム部の将来像について
3.エンジニア育成の取り組みについて
4.今後の展望について

◇ITシステム部の組織と課題・悩み
井上様はスズキ株式会社にて、ITシステム部門に所属されており、特定の専門分野(システム開発)を極め、後継者を育成する役割を担われています。セゾン情報システム様、SCSK様とは異なる、「ユーザー企業のITシステム部」の立場からお話をしていただきました。

はじめにITシステム部の課題・悩みとして井上様は、人材の流動性の低さや、スキルを身に付ける機会の少なさなど、教育・スキルの問題を挙げられています。この課題・悩みには、多くのご来場者様が共感されていました。
井上様は「スキルの問題=教育の問題」とし、どのような教育を実施すべきかを検討されています。

教育の考え方において大変納得させられたのが、教育単体ではなく、組織のミッションから考えられていた点です。井上様は、①ITシステム部のミッションの明確化、②そのミッションにはどのような人材がどれだけ必要かを判断、③そのような人材になるための育成を計画、④教え方の検討、という順番で考えられています。

IT部門のミッションを井上様は、業務の分析・改革や、技術力の向上、業務の選択とリソースの集中と定義づけられていました。

◇ITシステム部の将来像について
上記のようなミッションを実現には、アジリティーが必要であると井上様はおっしゃっています。
そのためには、コードを書くことでの開発や、オンプレミスでの運用にこだわらず、パッケージやクラウドサービスを最大限活用すべきだと話されていました。 ITシステム部の目指す姿として、R&Dの様な立場で、世の中に出る新技術をどのように仕事に繋げるかを考える、ということをお伝えいただきました。

◇エンジニア育成の取り組みについて
井上様は、現在ITシステム部は、「どのような人材がどれだけ必要かを判断」するフェーズに入ったとおっしゃいます。
IT部門のミッションとして、「技術力の向上」が定義づけられ、技術教育が重要であるという共通認識を持つことができたことから、必要な人材の判断と並行して、技術教育にも取り組んでいらっしゃいます。
2015年にシステム開発標準を策定し、標準に則ったシステム・技術の教育をされてきました。2017年以降には、プログラミング教育を実施されており、カサレアルもお手伝いさせていただいております。

プログラミング研修で学んだことを実施・定着させるため、プログラミング研修を受講した技術者の一部を、アジャイル開発プロジェクトにアサインされているそうです。
アジャイル開発プロジェクトの開始により、モノづくりの喜びを実感できたり、若手のうちから開発の様々なフェーズを経験できたりと、技術者にとって大きなメリットがありました。

◇今後の展望について 今後については、ご検討段階のものもあり、詳しくお伝えすることができませんが、教育プランの策定や、アジャイル開発の推進などについて、お伝えいただきました。

たくさんのご質問があがりました!

各セッション、たくさんのご質問をいただきましたので、いくつかご紹介いたします。
ご質問の中でも、各社様似た課題・お悩みをお持ちであることが伺えました。

Q1. コンセプトを打ち続けるのはむかずかしいが、打ち出す際のコツ・巻き込む人とは?
A1. <有馬様>
フューチャープルの考えを持ち、3年後・5年後の未来を考える(こんなものを売っていきたい、未来はこうなると思うなど)。
その上でやるべきことを、①直近やるべきこと、②1年後にやるべきこと、③3年後にやるべきことと区切って考え、③から実施する。
Q2. 自社で育成するにあたり、「勉強の仕方の勉強会」というのは外部の人を呼んでいるのか?
A2. <堀井様>
堀井様ご自身が実施されている。技術者との面談をしていく中で、どう勉強するのかという質問が多かったため。
Q3. エンジニア育成の取り組みはコンセプト作りが重要だと思っている。何がきっかけでコンセプト作りした?
A3. <有馬様>
技術力に対する危機感から。常務が技術ファーストを謳い、それを実現化した。
<堀井様>
人が足りないといった危機感から。それに基づく課題設定を行い、また将来どうありたいか・どうあると楽しいか、を話し合った。
<井上様>
根っこは、社内のITとしての存在意義がなくなるのでは、という危機感。やるべきこと・求められていることは何か、をコンセプトにする。

ご登壇・ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

今回、セゾン情報システムズ様、SCSK様、スズキ様にご協力いただき、本セミナーを開催することができました。 ご登壇をご快諾くださった三社様、誠にありがとうございました。
またご来場いただいたお客様にも、深く御礼申し上げます。

カサレアルでは今後も事例紹介をはじめ、様々なセミナーを開催してまいります!