“お客様ファースト”を叶えるπ型人財を目指して

プロジェクトマネージャーが技術を学習するワケ

「世界に最も必要とされる会社」になることを目指すというビジョンの下、デジタルテクノロジーの最先端を走り続けるソフトバンク株式会社。その中で、5GやAIなど様々な新規事業や技術を取り扱っているソリューションエンジニアリング本部(以下SE本部)は、カサレアルのJavaやSpring Bootの言語研修、クラウドネイティブの研修(クラウドネイティブ道場)を2020年から受講しています。プログラミング言語もクラウドネイティブ領域も、新規事業との関係がイメージしにくいですが、どのように活かされているのでしょうか。

お話を伺った方

ソリューションエンジニアリング本部
内藤 吉哲 さん
ソリューションエンジニアリング本部
中西 崇之 さん
ソリューションエンジニアリング本部
羅 佩琳 さん

目次

「π型人財」を目指す育成方針

SE本部ではネットワークやモバイル、音声といった通信事業の他に、セキュリティ、クラウド、5GやAI等の新規事業・技術を取り扱っていらっしゃいますね。

本部が持つミッションについて、お聞かせいただけますでしょうか。

SE本部は営業組織に所属するエンジニア部隊となり、法人向けにエンジニアリングをもって価値を提供する、というのが大きなミッションです。

今回カサレアルの研修を受けたのは、我々の中でも新規事業領域を扱う3つの部署になります。IoT担当の部署、アプリケーション構築担当の部署、そして私や中西、羅はデジタルマーケティング・デジタルオペレーションといった文脈でビジネスを行っている部署です。

新規事業領域としてはAIなどを活用したソリューションを提供するのが我々のミッションです。

内藤さん

なるほど。そういった新規事業を進める中で、SE本部の中で掲げている育成方針や、実施されている育成計画がございましたらお聞かせください。

SE本部全体の研修の指針として、お客様の真の課題解決を実現する「π型人財(※)」の育成を掲げております。これは、自分の軸となるテクニカルスキル以外に関連するもう1軸のスキルを持つ、という意味になります。こうすることで、お客様の課題を多角的な視点でみられるようになり、より最適なソリューションの提供をできるようになると考えています。その中で、2022年度はPMスキルの強化を推進し、PMP® (プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)の取得を本部全体で取り組み、多くのメンバーが資格取得ならびに、スキルの1軸としてPMを追加することができました。

新規事業領域の育成計画の方針としては、縦軸の技術観点も理解しよう、技術を分かってないとプロジェクトマネジメントができない、という前提をもとに、SpringBootを受講しました。他にもAIやコンテンツ分析など様々な研修を受けています。お客様にソリューションを提供していくために、技術力をつけようというのが育成計画です。

内藤さん

※π(パイ)型人財:2つ以上の専門スキルの柱を持つ人財

ソフトバンクのSE本部が目標とするπ型人財の形として、1つ深い専門スキルを持った上で、さらに派生する専門スキルを持つことを目指しています。そうすることで1人でも色んな提案ができるような人財、お客様の真の課題解決ができる人財を目指そうと計画しています。

既に広くプロジェクトマネジメントのスキルを持っている中、PMP®はレベルの高い資格になるので、深く専門的なスキルとして確立する為に、SE本部全体でPMP®を取ろうと計画しています。

プロジェクトマネ―ジャーとして習得しておくべき技術を選んでいるのですね。

そうですね、我々は開発案件でも主にプロジェクトマネジメント業務が多いのですが、技術を知らないと判断することができない状況が多々あるので、研修を受講しています。

内藤さん

技術習得のワケ

2022年度は「Spring BootではじめるRESTful Web Service開発入門」「全体像から理解するクラウドネイティブ基礎」の2コースを1社研修にて受講いただきました。

2020年にカサレアルが研修を担当してから、JavaScript・モバイルのオープン研修や、Java・Spring Boot・クラウドネイティブ技術の研修等、様々な研修を毎年受講していただいています。

5GやAI等、担当される技術に対し、今まで研修受講いただいている技術習得が必要となった理由をお聞かせください。

先ほども話にありましたが、我々の案件の携わり方はプロジェクトマネジメント業務が主となり、技術を知らないとアーキテクチャをイメージできないんです。

今回のSpring Bootコースの受講では、プログラム構造を理解することを目的としました。Spring Bootはシステムの構造が分かりやすい言語だと思います。他のオブジェクト指向言語だと書けば動く、というのもあると思うのですが、Spring Bootは構造を理解して書かないと動かないですよね。

内藤さん

2020年度はJavaの基礎技術とSpring Bootのコースをご受講いただき、その後、モバイル、コンテナ等のクラウドネイティブ技術と、受講いただくコースの幅が広がってきました。

弊社の研修をご利用いただくまで、クラウドネイティブ技術の習得は、OJT等の内製でのキャッチアップが中心だったのでしょうか。

クラウドについては、OJTや当社内製の勉強会で技術習得をしていました。そのため、全体の体系的な学習としては、カサレアルのクラウドネイティブ道場が初の試みでした。研修では理解すべき順序が考えられたカリキュラムとなっているので、最短ルートで技術の習得ができると感じています。

内藤さん

カサレアルの研修を受けて

中西様と羅様には、JavaとSpring Bootの研修を受講いただきましたね。実際に受講されたご感想や、一緒に受講された方の様子をお聞かせください。

2020年のJava基礎から受講しています。

改めて基礎を受けたことでプログラムの書き方を思い出し、これからプロジェクトマネ―ジャーとして案件に携わっていく中で、開発者としての目線も理解できました。

その後、Spring Bootを受講した時は、細かいところまで深く理解していくのが難しかったです。業務上、自分の手でプログラムを書いているわけじゃないので、触ってないと忘れていることがあったりしました。ですが、システムアーキテクトを書くという視点で深く理解できたかと思います。

もう少し開発の研修を定期的に受講することで、自分に足りない部分を理解できるようになると思っています。

中西さん

2021年にJavaの研修を受けて、2022年はSpring Bootを受講しました。

私はプログラミング経験がなかったので、周りの受講者についていけるのかという不安と、セットアップ準備も難しそうな印象があり心配していました。また、日本語が分かるかも不安でした。

ですが、講師の方の説明が分かりやすく、声もはっきりと聞き取りやすかったです。受講できて本当によかったと思っています。

羅さん

未経験者と経験者の受講者がいる時はどっちかに寄ってしまうことがあると思うのですが、オンラインの環境でも、どちらへも配慮ができている講師の方の進め方がよかったと思います。

中西さん

スキルに差がある受講者が混在することは他の研修でもあり、講師も気にして取り組んでいる部分ですので、そう言ってもらえて大変嬉しいです!

今までの研修実施時は、受講者様ご自身で環境をご用意いただき、貴社ご担当者様にも研修準備にかかわる様々なフォローをいただきました。

2022年度はオンライン環境で研修を実施しましたが、環境変更での変化、作業的負担の軽減などございましたでしょうか。

前年までは研修用PCの手配と事前の検証、インストールに関する社内の問い合わせ対応など、準備にある程度の時間を要していました。

今回、オンラインのリモートデスクトップ環境で研修の受講ができるようになり、事前準備の負荷が軽減できたことは助かりました。また、何よりオンサイト開催時の品質を保ちながらリモートで講義をご提供いただけたことは本当に良かったです。

中西さん

“お客様ファースト”で動くための今後

SE本部として今後注力されたい分野や、習得されたい技術はございますか?

我々のミッションはお客様の真の課題解決を行うことですので、常にトレンドを読みし、先回りして技術習得することを継続していきたいです。その中で、メインのPMスキルは更なる磨き上げを行うとともに、基礎となるクラウドネイティブ領域の習得、また今回のSpring Boot研修で学んだプログラムの構造を更に深堀し、習得していきたいですね。

お客様から求められたときに、最適のソリューションを提供できるよう、これからも鍛錬してまいります。

内藤さん

我々の部門ではこの数年間、アプリケーション寄りの技術を中心に学んできました。

今後もアプリケーションの技術をさらに高めていきたいといった点もありますが、DBなどバックエンド側も含めて学び、技術面の幅広いスキルアップを目指します。

加えて、我々の主な役割であるプロジェクトマネージャーとしてのスキルを伸ばしたいと考えております。案件では提案も含めて、お客様の業務整理やコンサルティング、要件定義を実施するため、業務整理のフレームを作るといったスキルを強化していければと考えております。

中西さん

今はAI系、機械学習系を猛勉強中しているところです。その試験が終わったら、学んだJavaを使ってプログラミングをしたいと思っています。

それから、クラウド構築などのプロジェクトで必要な知識も把握しておきたいので、クラウドのスキルも身に着けたいと思っています。

羅さん

ソフトバンクが描く未来

展示は随時アップデートされますが、例えば5Gを活用したロボットアームを遠隔操作するデモや、顔認証ソリューションで活用されている画像認識技術などのデモを体験できます。デモの後はお客様とディスカッションできるラウンジなどもあり、対面ならではの体験やコミュニケーションの価値を最大限に引き出す施設です。

ただ我々はいきなり最先端技術のステップにあがるのではなく、その間にある現実解を導き出し、どうしていくべきかの道筋をご提示することが重要と感じています。これを実現するために今後もスキルアップを続けていきます。

中西さん

顧客プロフィール

ソフトバンク株式会社

設立:1986年(昭和61年)12月9日

資本金:204,309百万円(2022年3月31日現在)

売上高:5兆6,906億円(2022年3月期)

営業利益:9,857億円(2022年3月期)

社員数:単体:18,929人(2022年3月31日現在)

    連結:49,581人(2022年3月31日現在)

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